『地球号 〜乗組員の話①』 ねえ、聞いて。 私はね、「1個」に見えるかもしれないけれど、実は一人じゃないの。 本当は2000とか3000とかの仲間が集まって、私になるの。 それだけじゃない。 その仲間を包んでくれる黒い友達もいるの。 わかる? 私は、お皿の…
『今日を少し良くすることならできる』 5階建てのマンションで、まだエレベーターのついてない物件に住んでる人は多い。 その分、家賃が安いというのもある。 駅から近くても、十分貯金ができるくらいの良心的家賃。 しかしだな、こっちは大変なんだよ! 何…
『今日も、ここで』 田畑さん、今日も元気そうでよかった。 ほうれん草のお惣菜が好きなんだよね。 ちょっと痩せてて心配だけれど、毎日歩いてここまで来れるんだから大丈夫。 30歳の時、父を癌で亡くした。 元々痩せ気味で、食の細い人だった。 田畑さんを…
『そのひと光を持ち帰ろう』 最初はただ、いても立ってもいられない気持ちだった。 「自分にも何かできることがあるなら」、ただその思いだけだった。 勢いで実際来てみたら、そこには絶望の文字しかないことを知った。 僕は猛烈な空虚感に襲われ、何をした…
『家族のうた』 うちの子は断然可愛い。 よそのどんな可愛い子よりも、うちの子が世界一可愛い。 上の子はだんだんしっかりしてきたようでいて、実は寂しがりの甘えん坊。 下の子は天真爛漫の野生児。 どちらも最高に可愛い。 なのに。 時にやってしまう。 …
『今日の帰りに』 ちょっと飲んで帰るつもりが、11時半。 明日も仕事だっていうのに、どうにも断れないんだよなあ。こんな不本意なしがらみのある生活って、どうやったら終わりにできるんだろ? 駅からの道がけっこう億劫。 この角を曲がった道の排水溝がい…
『知らない誰かを思った日』 人、人、人。 たくさんの人が見える。自分だけが子供で、わからずやで、いつまで経っても大人になれない。 周りはみんな、立派に仕事して、生活して、充実して生きている。そう感じてる。私だけ、置いてきぼり。 誰も理解なんて…
『本当の幸せ』 私は生きている。 なぜ生きているんだろう? こんなにも秩序を持って統制されている肉体があるのだから、生きている意味が何かしらあるはずだ。 何の意味もなくただ生きているというなら、なぜこんなにもたくさんの人たちが、それぞれの個性…
『光へと続く道』 心とは一体どのようなものなのだろう 優しい人もあれば そうでない人もある その違いは何なのだろう 生い立ちや心の奥深く残る傷 悲しみの体験 失った希望 見つからない愛情 それらも大きな理由となるものかもしれない 苦しみや悲しみが深…
『豊かさ、それは奇跡の中にある自由』 遠い空を見上げた。 悲しみが胸にうち広がり、心は沈んだ。 誰かの声が聞こえる。 お母さんを探している。 また誰かの声がする。 苦しい苦しいと叫んでいる。 人々がせめぎ合い互いを指さして怒鳴り合っている。 土埃…