物語
真夜中。 クフ王のピラミッドの端に立っていた。 裸足のまま。 手には黄金の壺を持っていた。 それは高さ20cm、幅10cm程のランプのような形で、甲冑の頭に似たヘルメット型の上部と、首のようなくびれの下には、扉がついた本体とで出来ていた。全体が薄汚れ…
チャーリーと森に行った。 その小さな森は、チャーリーのいつもの散歩道にある静かで明るい森だった。 森の半ば辺りに、チャーリーお気に入りの蒼い湖がある。そこを一周するのが、チャーリーの日課なのだ。草の匂いを嗅いだり、茂みに分け入ったりして嬉し…
毎日同じ道を通った。 風に押されても、 陽射しに灼かれても、 横なぐりの雨に濡れても、 毎日同じ道を行った。 毎日同じ道を通うべきだったから。 ある日声が聞こえた。 振り返ったけど誰もいなかった。 そしていつもの道を通った。 その声をどこかで聞いた…
鍵を拾った。 サファイアで出来た不思議な鍵だった。その夜、夢を見た。 鍵が私に言った。 「僕は君の人生の扉を開ける。君は僕をより良く使って、君の人生を自分の思い通りに作っていくんだ。僕は、僕をより良く使えそうな人のところにしか現れない。だって…
彼は言った。「内側の状態に従って好奇心と行動が一致してるとね、外側はなんの影響も持たないんだよ。僕は、僕自身を突き動かしている偉大な力をいつも感じていた。そして、それをどんな時も大切にしていたし、常に自分をその力の中に置くようにしていたん…
気配を感じ、目が覚めた。 窓のカーテンが揺らぎ、部屋の中に月の光を浴びた天使ミカエルが立っていた。ミカエルは私の手を取り、窓から大きく外へ飛んだ。 夜を越え、宇宙に出て星々を過ぎ、ある星に降りた。 そこは白く明るく全方向に光を放つ星だった。石…
失くしたと思っていた本が出てきたある日私がその本を開くと 分厚い頁が大きくくり抜かれ 魔法の鍵が埋め込まれていたまたある日にその本を開くと 稲妻のような振動が起き 私に力を与えたそしてまた別の日には その本に触れた途端 白い光が私のまわりを大き…